男は家から出て、駐車場に向かい、仕事用に使う軽トラックに乗り込み、運転席に座ってから首をかしげた。
「うーん…やっぱ違うよな…」
男は思い直して軽トラックから降りて、普段使う自家用車に乗り込み、運転席でまたうなって首をかしげた。
「やっぱ、もっと軽めでいいか…」
男は思い直して自家用車から降りて、今度は家に置いてあったママチャリを引っ張り出してきて乗った。
「まあ、近いし別にたくさんはないからいいか…」
男は思い直してママチャリから降りた。
ふと横を見ると三輪車がある。
「あれじゃあ乗れないよな…」
しかしとりあえずまたがってこいでみた。
うまくこげない。
男は三輪車から降り、ため息をつき空を見上げた。
「買うの豚肉だけだからな」
男の目と鼻の先にはスーパーの看板がある。